ニュージーランドは、治安の良さ、豊かな自然、そして学費の安さから、近年日本人中高生の人気留学先として注目されています。日本の私立中学や高校では、留学を教育カリキュラムに組み込んでいるところもあり、数ヶ月から1年ほど現地校に通う生徒もたくさんいます。
現地の生活に慣れ、留学生同士でショッピングや食事を楽しむ姿は、留学の楽しさを象徴する一場面です。しかし、その背景には、意外と知られていない学びの困難が潜んでいます。
授業はすべて英語で進む
当然ですが、授業は全部英語で行われるし、留学生も、現地生徒と同じ授業を受けなければなりません。英語の授業だけ留学生と移民の子どものための特別クラスを受けますが、それ以外は現地の生徒たちと同じカリキュラムです。初めは、美術、音楽、体育、数学など比較的英語がわからなくてもなんとかなりそうなクラスを勧められますが、それらのクラスですら、グループで話し合ってまとめたものを発表したり、作曲などの課題があったりで、それに伴う機会や新しいソフトウェアの使い方までもちろん英語です。また、比較的取りやすいクラスだけでは単位数が足りないので、結局は、理科やコンピューターサイエンス、社会などのクラスもとらなければならないので、英語初級・中級者にはかなり厳しい環境です。
授業中に内容が理解できないことで集中力を失い、日本語で話したり、スマートフォンに手を伸ばしたりする生徒も多く見られます。もちろん真面目に取り組む生徒もいますが、宿題をきちんとこなし、提出物を期日までに出し、グループワークに参加できるようなケースは稀です。
現地教師の対応と限界
教師は当然、留学生の英語力に限界があることを知っています。しかし、授業を円滑に進める必要があるため、個々の留学生にかけられる時間はありません。結果的に、説明も補足もないまま、授業が終わってしまうことも少なくありません。
これは教師側の冷たさではなく、システム上の構造的な問題です。現地校に通うということは、「最低限の英語で授業を理解できるレベル」が前提とされているという現実があります。
留学を「意味ある経験」にするには
多くの日本の保護者や学校関係者、また子どもたち自身が、留学を「行けば英語力がつく」と考えがちですが、それは必ずしも真実ではありません。むしろ、現地での学びを最大化するためには、留学前の準備が成功の鍵を握ります。
例えば、私が指導していたある高校生は、留学前にプレゼンテーション、ライティング、リサーチスキルなどを徹底的に学んでから渡米しました。その結果、カレッジの入学を認められ、奨学金を受け取り、ほぼオールAでカレッジを卒業。次のステップとして、よりレベルの高い州立大学へ編入することもできました。
このような成功例に共通しているのは、「行ってからどうにかしよう」ではなく、「行く前に準備し尽くす」という姿勢です。
「海外で学ぶ」ことの意味を問い直す
留学は、ただ英語に触れるだけでなく、「文化の違いに戸惑いながらも、自分を表現し、理解してもらう経験」の連続です。その土台として必要なのが、言語の力であり、思考力であり、自主性です。
だからこそ、出発前の段階で、ただ英単語を覚えるだけではなく、英語で考える・伝える力を意識したトレーニングが必要なのです。
最後に
留学は、確かに人生を豊かにする大きなチャンスです。しかし、それを単なる「楽しい体験」で終わらせないためには、事前の準備が不可欠です。「行けば何とかなる」ではなく、行く前にできる限り必要な勉強をしていくことが留学を成功させる秘訣になるでしょう。
「後悔しない留学」を実現するためには、事前の英語学習が不可欠です。現地の生活や授業を最大限に楽しむために、今からオンライン英語レッスンで実用的な英語力を身につけませんか?詳しくはこちらをご覧ください。