はじめに:情報過多な時代だからこそ、賢い選択を
「留学してみたい!」—そう思い立ったとき、最初に頭を悩ませるのが「どの国、どの都市を選ぶべきか?」という問いではないでしょうか。
私がアメリカへ留学したのは、まだインターネットもスマートフォンも普及していない時代でした。大学選びで頼りになったのは、書店で見つけた分厚い「アメリカの大学紹介本」たった一冊。その本に掲載されていたのは、各大学たった2ページの情報と数枚の白黒写真だけでした。気候、治安、生活費など、具体的な情報はほとんどなく、どんな留学生活になるのか想像することすらできませんでした。
幸運にも、私は自分にぴったりの素晴らしい大学と街に出会うことができましたが、それはまさに「運がよかった」としか言えません。それに、たとえその場所が私には合っていたとしても、他の誰にとってもベストな選択とは限りません。
「情報の海」で迷子にならないために:留学の行き先選びのコツ
今は、現地の雰囲気をリアルタイムで確認できる、本当に便利な時代になりました。Googleストリートビューを使えば、滞在先の近所の様子まで、まるでそこにいるかのように見られます。
しかし、その便利さの裏には、「情報が多すぎる」「どの情報が正しいのか分からない」「そして、結局どれが自分に合っているのかも分からない」という新たな悩みが潜んでいます。選択肢が無限に広がったからこそ、かえって迷いが大きくなってしまう。これが、現代の「情報の海」の中で自分に合った選択をする難しさなのです。
留学は、人生において大きなターニングポイントになり得ます。その後の進路やキャリアにも影響を与える可能性を秘めているからこそ、「自分に合った街・学校・暮らし方」を慎重に選ぶことが、あなたの成功への第一歩となるでしょう。
この記事では、私自身がアメリカ、スペイン、ニュージーランドで実際に生活してきた経験をもとに、留学先を選ぶ際にぜひ考慮してほしいポイントを項目別にご紹介します。
美術、音楽、ITなどの専門分野を学ぶ目的がある場合は少し異なりますが、語学留学や大学への留学を考えている方は、以下の基準を参考になさってください。
安心して過ごせる治安の場所を選ぶ
当然のことですが、留学の滞在先を選ぶ上で、まず治安の良い場所を選ぶのは非常に大切です。「そんなの当たり前」と思うかもしれませんが、その理由を具体的に考えたことはありますか?
多くの留学生、特に短期滞在の人は車を持たないため、主な移動手段はバスや地下鉄、そして徒歩になります。公共交通機関は多様な人々が利用するため、時には怪しい行動をする人や不快な人物に遭遇することもあります。例えば、酔っ払いのような人や薬物を使用していると思われる人、お金をせびってくる人、意味不明なことを話しかけてくる人などです。たとえ治安が良い場所に住んでいても、バスや地下鉄を利用することで、こういった人々と出くわす機会は格段に増えてしまいます。
特に注意が必要なのが、駅やバスターミナル(現地では「Bus Depot」や「Bus Exchange」と呼ばれることが多い)。ここには、バスの利用者だけでなく、スリ(最近はグループでの犯行も少なくありません)、物乞いやホームレス、怪しい若者のグループなども集まりがちです。ここで長時間バスや電車を待つことになると、危険な目に遭う可能性が高まってしまいます。特に若い女性は、公共交通機関を利用する時間帯に一層気を配る必要があるでしょう。
治安の良い場所を選ぶ重要性
治安の良い地域に住むことは、こうした危険な目に遭う機会を大幅に減らすことにつながります。不運にも、一度でも怖い思いをしてしまうと、外出が億劫になったり、最悪の場合、その街での生活自体が嫌になってしまう可能性もあります。安全に海外生活を過ごせることは、留学を成功させる上で何よりも大切な条件です。だからこそ、出発前に治安について徹底的に調べることは非常に重要です。
残念ながら、中高生の留学では、日本の学校と提携している現地の学校へ行くことが多く、自分自身で滞在先の地域を選ぶことはできません。しかし、学校から指定されたホームステイ先が、予期せず危険な地域にある可能性もゼロではありません。事前の情報収集で、滞在予定地の治安情報を確認するようにしましょう。もし、行ってから危ないと感じたら、すぐにホームステイを変更してもらうように学校に相談しましょう。
治安の悪い地域を見分けるヒント
では、具体的に治安が良くない地域はどのように見分けられるのでしょうか?実は、注意深く観察すれば、すぐに気づくことができます。
まず、目につくのが建物や塀、壁などに施されたスプレーペインティング(落書き)です。アートとして描かれたものもありますが、無秩序な落書きが多い場合は、その地域の治安に対する警戒信号かもしれません。
次に、お店の外観に注目してください。頑丈な鉄格子や金属製の格子状シャッターが設置されているのを見かけるなら、それは犯罪発生率が高い地域のサインである可能性が高いです。
道を歩く人々の様子からもヒントが得られます。服装が粗末であったり、昼間から働いていない人が街中をうろついていたりするのを多く目にするようであれば、注意が必要です。
さらに、住宅街であれば、家の外観や庭の様子、停まっている車の状態も重要な手がかりになります。例えば、手入れの行き届いていない荒れた庭や、明らかに古く破損している車が多い場合も、治安と関連していることも少なくありません。安全に滞在期間を過ごすためにも、事前によく調べ、治安の良い場所を選ぶようにしてください。
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