【保存版】後悔しない留学の行き先選びのポイント【第2回】

前回は、留学先選びで最も重視すべき「治安」について詳しく解説しました。今回は、留学生活の快適さや精神的な負担に直結する、意外と見落とされがちな重要ポイント「日本からのアクセス」に焦点を当て、留学先選びの具体的なポイントを深掘りしていきます。美術、音楽、ITなどの専門分野に特化した留学は、行きたい場所が決まっているのでこれに当てはまりませんが、語学留学や一般の大学への進学を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

留学先を選ぶ際、多くの人が学習内容や学校の評判、都市の魅力などに目を向けがちですが、日本からのアクセスは、快適でストレスの少ない留学生活を送る上で、実は非常に重要な要素なんです。渡航時だけでなく、留学中の日本への一時帰国、そして万が一の緊急時の移動を考えると、その重要性はさらに増します。特に、留学初日や帰国時など、大きな荷物を抱えての移動は想像以上に体力と精神力を消耗します。

1. 国際空港から留学先キャンパスまでの道のり:長距離移動の現実と乗り継ぎの落とし穴

アメリカ、オーストラリア、カナダなどの広大な国土を持つ国々では、大学やカレッジが主要都市から離れた郊外や田舎に位置していることが少なくありません。こうした大学の多くは、広大なキャンパスや豊かな自然環境が魅力ですが、その一方で、最寄りの国際空港まで非常に遠かったり、利用できる空港がごく小さいというケースも多々あります。小さな空港からは国際線がほとんど運航していないため、日本からの直行便は、ロサンゼルス、ニューヨーク(アメリカ)、シドニー、メルボルン(オーストラリア)、トロント、バンクーバー(カナダ)といった大規模なハブ空港がほとんどです。つまり、もしあなたが田舎の学校へ留学する場合、これらの主要空港での乗り継ぎがほぼ必須となります。この「乗り継ぎ」が、留学初期の大きな壁となることがあります。

私自身の経験を例にお話ししましょう。アメリカに留学していた頃、日本へ一時帰国する際には、まず住んでいた場所から最寄りの空港まで車で2時間かけて移動していました。この時点で、既に国内の移動で疲労が蓄積されます。そこから、ようやくロサンゼルスやサンフランシスコといった主要都市へ国内線で飛び、そこから日本行きの国際線に乗り継ぐ、という流れでした。日本に到着しても、もし実家が地方都市にある場合は、成田空港や羽田空港からさらに国内線に乗り換える必要がありました。結局、自宅にたどり着く頃には、肉体的にも精神的にもへとへとになってしまったり、乗り継ぎのフライトの時間帯によっては、国際空港で一泊を余儀なくされたりすることも珍しくありませんでした。

このように、日本からのアクセスが悪い場所を選んでしまうと、片道の移動に膨大な時間がかかるだけでなく、交通費や場合によっては宿泊費といった追加のコストも発生します。出発時は期待に胸を膨らませていても、到着した頃には疲労困憊…という状況では、留学生活のスタートダッシュも躓きかねません。頻繁に帰国する機会はなくても、大学から主要国際空港まで車で7時間もかかるような極端に不便な場所を選ぶのは、賢明とは言えません。もちろん、治安の面を考慮すると大都市が必ずしもベストな選択とは限りませんが、たとえ田舎であっても、近くに主要空港への便が多く発着するローカル空港がある場所であれば、アクセスの不便さはそれほど感じないでしょう。留学期間中、安心して、そしてスムーズに移動できる環境を選ぶことは、想像以上にストレス軽減に繋がります。

2.【重要】大規模空港での国際線から国内線への乗り継ぎの注意点

特に注意が必要なのが、大規模なハブ空港での国際線から国内線への乗り継ぎです。これらの空港は非常に広大で、複数のターミナルに分かれていることがほとんどです。国際線で到着したターミナルから国内線が発着するターミナルへは、ターミナル間を繋ぐバスや地下鉄、またはシャトルサービスに乗って移動しなければならないのが一般的です。

しかし、空港内には様々な路線のバスや電車が乗り入れているため、ターミナル移動のための正しいバスや地下鉄を見つけるだけでも一苦労ということも少なくありません。案内表示が分かりにくい、英語でのアナウンスが聞き取れない、あるいはそもそも乗り換えの場所が複雑に入り組んでいるなど、初めて訪れる空港では混乱しやすいものです。

さらに、国際線は、予期せぬ飛行機の遅延や、預けた荷物がなかなか出てこないといったトラブルが頻繁に発生します。これにより、乗り継ぎ時間が想定よりも短くなってしまい、国内線への乗り換えが間に合わない、という事態も残念ながらよくある話です。国際線と国内線の乗り継ぎ便を予約する際は、最低でも3〜4時間以上の余裕を持たせることを強くお勧めします。これは、入国審査や税関での手続きに予想以上に時間がかかることも考慮しての目安です。

私自身、毎年利用している海外の空港では、ターミナル間を繋ぐバスのバス停が、頻繁に工事やよくわからない理由のために移動しています。そのため、その空港に慣れ親しんでいる私でさえも、いつも簡単に乗り継ぎができるわけではなく、たびたび迷いそうになったり、案内表示を改めて確認したりする手間が発生します。そして、毎回必ず迷っている旅行者を目にします。留学という慣れない環境で、初めての空港での乗り継ぎは、想像以上に大きなストレスとなり、留学生活のスタートにつまずく原因にもなりかねません。出発前に、利用する空港のウェブサイトでターミナルマップや乗り換え案内を必ず確認し、可能であれば関連動画でシミュレーションしておくことをお勧めします。

3. 滞在都市内からの空港アクセスも事前に確認を:荷物と移動手段の現実

留学先を選ぶ際には、その都市の中心部やあなたが住むことになるであろう地域から、空港までのアクセス手段と所要時間も考慮に入れるべきです。留学期間が長期になれば、車を持つ友達が空港まで送ってくれるということもあるかもしれませんが、留学初期や短期留学の場合は、自分で全て手配し、重い荷物を持って移動しなければならない可能性が高いと考えて準備を進めるのが賢明です。例えばアメリカでは、グレイハウンドのような長距離バスが空港まで運行していたり、レンタカーを借りて行くことも可能ですが、バス停やレンタカーオフィスまで、大きな荷物を自分で運ぶ手間と労力を忘れてはいけません。

留学先から空港までの距離がさほど遠くなければ、 UberやLyftなどのライドシェアサービスや、空港シャトルバスなどを利用することも可能です。しかし、早朝や深夜ではライドシェアが捕まるかどうかもわかりません。公共交通機関が通っていたとしても時間によっては利用することはできません。また、一般にアメリカなどの車社会では、車で空港で行くのが当然のようになっているので、アクセス方法について早めに確認をしておくようにしましょう。

4. 中高生の留学における空港送迎と緊急時の対応:万が一への備え

中高生の留学では、ほとんどの場合、学校と現地の(日本人)エージェントが連携しており、空港から滞在先までの送迎手配がされています。そのため、到着時や帰国時の移動については、比較的安心して任せられることが多いでしょう。このサービスがあることで、慣れない環境での移動に関するストレスが大幅に軽減されます。

しかし、万が一、体調不良や家族の事情などで予期せぬ緊急帰国が必要になる可能性もゼロではありません。そうした不測の事態に備え、留学に行く前に、滞在先の都市から空港までの公共交通機関のルートや乗り方を調べておくことをお勧めします。地図アプリで経路検索をするだけでなく、可能であればGoogleストリートビューで主要なバス停や駅の様子を見ておくのも良いでしょう。「もしもの時には、一人でバスや電車に乗って空港まで行ける」というくらいの心の準備ができていると、より安心して留学生活を送れるでしょう。エージェントや学校任せにするだけでなく、自分自身で情報を収集し、緊急事態を想定する意識を持つことが、海外で暮らす上では非常に大切です。これは、単なる移動手段の確保だけでなく、異文化環境で自立して生活するための第一歩とも言えます。

まとめ:日本からのアクセスは「留学の質」に直結する重要な要素

留学の行き先選びにおいて、「日本からのアクセス」は、多くの人が見落としがちな要素ですが、その重要性は計り知れません。出発時の疲労、留学中の緊急対応、そして留学生活を豊かにする旅行の機会など、多岐にわたる側面であなたの留学体験に影響を与えます。

  • 国際空港からの距離と交通手段: 主要ハブ空港から留学先までの乗り継ぎや所要時間、交通費を事前に確認しましょう。特に、国際線から国内線への乗り継ぎは、空港の構造やトラブルを考慮し、十分な乗り継ぎ時間を確保することが賢明です。極端にアクセスが悪い場所は避けるのが賢明です。
  • 滞在都市内からの空港アクセス: 重い荷物を持っての移動を想定し、公共交通機関の利便性や所要時間、運賃などを具体的に調べておきましょう。空港までの移動手段が限られる場合や、荷物が多い場合の具体的な移動方法までシミュレーションしておくと安心です。
  • 緊急時の対応: 中高生の場合でも、万が一に備え、自力で空港まで移動できるルートを把握しておく心の準備が大切です。これは、異国での自立心を育む上でも役立ちます。

インターネットやSNSを活用して、現地のリアルな情報を得ることはもちろん重要ですが、それに加えて、今回ご紹介したような具体的な視点から留学先を絞り込んでいくことで、「情報の海」に溺れることなく、あなたにとって本当に最適な留学先を見つけることができるはずです。あなたの留学が、安全で、快適で、そして最高の学びと経験に満ちた素晴らしいものとなることを心から願っています。

「後悔しない留学」を実現するためには、事前の英語学習が不可欠です。現地の生活や授業を最大限に楽しむために、今からオンライン英語レッスンで実用的な英語力を身につけませんか?詳しくはこちらをご覧ください。

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