日本人留学生の割合が英語環境に与える影響:適切な距離感で留学を成功させる
「留学すれば、英語漬けの毎日が待っている!」そう期待して海外に飛び立つ方も多いでしょう。しかし、実際に留学先に行ってみると、想像とは異なる「日本人留学生の多さ」に驚くかもしれません。新型コロナウイルス感染症の収束を機に、留学生の数は世界的に回復傾向にあり、人気の留学先では日本人留学生の姿もよく見かけるようになりました。
憧れの国や人気の都市には、多くの日本人留学生が集まります。英語力にまだ自信がない段階では、言葉の壁や文化の違いからくる寂しさや不自由さを感じやすく、ついつい学校の中だけでなく、放課後や休日も日本人同士で集まりがちです。日本語の動画を見たり、日本人の友達と日本食を食べに出かけたりと、まるで日本の生活をそのまま留学先に持ち込んでいるかのような留学生も少なくありません。しかし、それでは英語の上達は遅れてしまいますし、せっかくの時間と費用をかけた留学の真の意味が薄れてしまう可能性があります。
今回は、これまでのテーマとも密接に関わり、留学の目的、特に英語力向上に大きく影響を与える「日本人留学生の割合」という視点から、最適な留学先を見つけるためのポイントを深掘りしていきます。
なぜ「日本人留学生の割合」が留学生活に影響するのか?
留学の目的は人それぞれですが、多くの人にとって英語力の向上は共通の目標でしょう。しかし、日本人留学生の割合が高い環境は、良くも悪くもあなたの留学生活に影響を与える可能性があります。
英語力向上の機会損失
最も懸念されるのは、英語力向上の機会損失です。同じ国籍の友人が多いと、どうしても日本語でコミュニケーションを取る機会が増えてしまいます。特に、英語にまだ自信がない時期は、安心感から日本語に頼りがちになるのは自然なことです。しかし、それでは英語を話す・聞く練習の時間が減り、せっかくの「英語漬け」の環境が失われてしまいます。
- 学校内での日本語使用: 休み時間やグループワークの際に、周囲に日本人がいるとつい日本語で話してしまう。
- 放課後や休日の過ごし方: 日本人同士で集まり、日本食レストランに行ったり、日本語の動画を見たりする時間が増える。
- 新しい人間関係の形成の難しさ: 既に日本人コミュニティが形成されている場合、他の国籍の学生との交流機会が減少したり、その輪に入っていくのが難しくなったりする。
このような状況が続くと、留学期間が長くなっても英語力が伸び悩んでしまう可能性があります。「英語圏に留学したのに、英語力が思ったほど伸びなかった」という後悔を避けるためにも、日本人留学生の割合は重要な考慮点となります。
心理的な安心感とサポート
一方で、日本人留学生がある程度の数いることには、心理的な安心感というメリットもあります。特に留学初期の、新しい環境や文化に慣れない時期、英語でのコミュニケーションにストレスを感じる時期には、同じ言語を話せる友人の存在は大きな支えとなります。
- 情報交換: 現地での生活情報(スーパーの場所、交通手段、病院など)や、学校に関する情報(クラスの選び方、課題の進め方など)を日本語で気軽に交換できる。
- 困った時の助け合い: 病気になった時や、トラブルに巻き込まれた時など、緊急時に日本語で相談したり、助けを求めたりできる。
- 文化的な共感: 日本の文化や習慣を理解してくれる友人と、気軽に悩みや感動を共有できる。これは、精神的なストレスを軽減し、留学を継続する上で重要な要素となる場合もあります。
全く日本人がいないような環境は、自分が困ったときに相談できる人がおらず、孤独感や不安を強く感じるかもしれません。重要なのは、この「安心感」と「英語力向上」のバランスをどのように取るか、ということになります。
日本人留学生との「適切な距離感」とは
日本人留学生との付き合い方は、個人の留学に対する意思や目標によって大きく異なります。
英語力向上を最優先する姿勢
中には、「これでもかというほど日本人を避けている」ように見える留学生もいます。同じ寮や食堂で毎日顔を合わせても、目も合わせず、挨拶すらしないという人もいるかもしれません。これは、その人にとって「日本人は(今は)必要ない」という強い意思表示であり、留学の目的を英語力向上に特化しているが故の選択だと捉えることができます。個人の留学に対する意思の違いなので、これは一つの自由な選択であり、尊重されるべきでしょう。
しかし、何も悪いことをしていないのに、まるで邪魔者のように悪意を持って接されると、やはり不快な気分になるものです。無理に距離を取る必要はありませんが、自身の留学目標に優先順位をつけ、流されない姿勢を持つことが重要です。
留学生活を充実させる付き合い方
私の場合、アメリカでの日本人留学仲間は、みんな大学で勉強している長期留学生でした。彼らはすでにアメリカ人の友人もたくさんいて、日本人との付き合い方も非常に上手でした。普段は寮の同じ階のアメリカ人たちと行動を共にし、寮が閉まる長期休暇には一緒に旅行に行ったり、大きな街まで買い物に行く際には車を借りて一緒に行ったりと、適切なバランスで交流していました。
大学やカレッジの正規課程に入学した留学生は、語学学校の生徒に比べて、課題の量が圧倒的に多いため、勉強で忙しく、日本人コミュニティでのお付き合いに常に時間を割いている暇がありません。彼らは日本人をあえて避ける生活をしているわけではなく、忙しさの中で自然と、現地の学生や多様な国籍の友人と時間を共有する機会が増えているのです。私自身も、大学の勉強に追い回されてとにかく忙しい毎日だったので、正直、日本人を無視するとかしないとかの意識もありませんでした。
私の経験から言えるのは、語学学校の留学生は、途中で日本人コミュニティから抜け出すのが非常に難しいということです。そのため、留学初期から日本人だけで深く付き合うのは避けるべきだと強くお勧めします。
英語環境を最適化するための留学先選びと心構え
1. 事前の情報収集と「国籍比率」の確認
- 留学エージェントに問い合わせる: 留学エージェントは、各語学学校や大学の国籍比率に関する情報を持っています。特に、日本人留学生の割合について具体的に尋ねましょう。時期によって比率は変動するので、最新の情報を確認することが重要です。
- 学校のウェブサイトやパンフレット: 学校のウェブサイトで「国際色豊か」といった表現が使われているか、学生の出身国リストが公開されているかなどをチェックしましょう。ただし、抽象的な表現だけでなく、具体的な数字が提示されているとより信頼性が高いです。
- 留学体験談ブログやSNS: 実際にその学校や地域に留学した日本人のブログやSNS投稿は、リアルな情報源となります。「日本人コミュニティが活発だった」「クラスに日本人が多かった」といった情報が見つかるかもしれません。
2. 学校やコースの選択も重要
- 語学学校の選択: 語学学校は一般的に国籍比率が変動しやすい傾向にあります。大規模な語学学校よりも、小規模でアットホームな学校の方が、国籍の偏りが少ない場合があります。
- 大学・カレッジの正規課程: 大学やカレッジの正規課程(学部や大学院)は、語学学校に比べて、特定の国籍に偏りが少ない傾向がほとんどです。また、学業が忙しいため、より現地の生活に溶け込みやすい環境と言えるでしょう。
- 人気のリゾート地を避ける: ハワイやロサンゼルスのような年中過ごしやすく観光地として人気のある場所には、日本人留学生が集まります。語学学校などは、「クラスのほとんどが日本人」ということにもなりかねません。遊びに行くのではないなら、リゾート地などは避けた方が良いでしょう。
3. 積極的に多様な人々との交流を試みる
最も大切なのは、あなたの「積極性」と「オープンな姿勢」です。
- 他のアジア系やヒスパニック系の人々との交流: むしろ、日本人のことが大好きな他のアジアの人たち(インドネシア人、タイ人、フィリピン人など)、フレンドリーなヒスパニック系(メキシコ人、アルゼンチン人、コロンビア人など)や太平洋諸島の人たち(サモア人、フィジー人、トンガ人など)は、非常にオープンで、すぐにお友達になってくれる人がほとんどです。彼らもまた英語が第2言語である場合が多いので、理解し合えることも多く、非常にありがたい存在となるでしょう。
- 学校外の活動への参加: 地域のボランティア活動、スポーツクラブ、趣味のサークル、語学交換パートナー探しなど、学校以外の場所で英語を話す機会を意識的に作りましょう。これは、多様なバックグラウンドを持つ現地の人々や、他の国の留学生と出会う絶好の機会です。
- ホームステイの活用: 現地の家庭に滞在するホームステイは、リビングルームがそのまま英語の練習の場になります。ホストファミリーとの日常会話を通じて、自然な英語表現や文化を学ぶことができます。
- オンラインツールでの交流: 留学前から、現地の興味のあるコミュニティやイベント情報をオンラインでチェックし、参加を検討するのも良いでしょう。
まとめ:日本人留学生との「適切な距離感」を見つけることが成功の鍵
留学先の「日本人留学生の割合」は、あなたの英語力向上、そして留学生活の満足度を左右する重要な要素です。日本人留学生が多いことによる安心感と、英語力向上の機会損失という両面を理解し、あなたにとっての「適切な距離感」を見つけることが成功の鍵となります。
大切なのは、「英語環境は、与えられるものではなく、自ら積極的に作り出すものだ」という意識を持つことです。たとえ理想通りの日本人比率ではなかったとしても、あなたの積極性次第でいくらでも英語を話す機会を作り出すことができます。多様なバックグラウンドを持つ人々と英語で交流することは、単に語学力だけでなく、グローバルな視野とコミュニケーション能力を養う上で、かけがえのない経験となります。
あなたの留学が、単なる海外生活の経験だけでなく、英語力とコミュニケーション能力を飛躍的に向上させ、人生を豊かにする素晴らしいものとなることを心から願っています。この記事で得た情報を参考に、あなたの理想の英語環境を見つけ、忘れられない体験を掴み取りましょう!
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